たまには山へ恩返しin原始が原

 

 

 

ニングル小屋から富良野岳へと向かう途中、

「原始が原」と呼ばれる湿原があります。

登山者は少なく、歩行路もほとんどわからないほど

「原始」的な場所です。

歩行路も見えず、ヒグマの気配ぷんぷん、人もいない。

ですが圧倒的な「自由」を感じます。

これほどまでに自由度があるルートは大雪山にはもちろん、おそらく日本中でもほとんどありません。

「原始が原」その名の通りの場所であり、

大雪山の宝です。


2016年 富良野市民登山会で最初の施工――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  

登山者の少ない原始が原ですが、踏圧による裸地化が目立つ場所も多々あります。

これ以上の拡大を防ぐため、2016年8月11日山の日に、富良野市民登山会の一部として裸地化防止の保護活動が始まりました。

  

一冬経ち、経過観察を行うと、思った以上のイネ科植物の発芽が確認できました。

ネットの隙間から既存の植物も生え、現状に悪影響がないこともわかりました。

一時の変化で結論を出すことは難しいことですが、

経過観察を続けながら植生復元を続けていこうと関係者間で話し合い、今年も活動を続けることが出来ました。

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いつものごとく、荷上げからスタート。ヤシネットや番線、各種道具を運びます。

川を越え、倒木をくぐり、沼地にはまりながら、約2時間かけて現場に向かいました。

  

現場ではすぐには施工せず、まずは昨年施工個所の観察から始めました。

どこに、どのように植物が復元したかを確認し、やるべきことを共有し、再確認します。


26名の参加者は4班に分かれて作業。各班の班長を山守隊員が担当しました。

とはいえ、復元状況を見た参加者からは「こういう風にやったらどうか?」と提案もあり、意見交換しながらの作業。これも楽しいことです。

作業することによる踏圧の影響も見えたり、今後の課題や改善点も見つけることができました。

             今回の使ったヤシネットは4ロール(1ロール15m)。

  昨年施工し、復元の効果が高かったネット土留めや

 道幅に合わせて半分にしたり、効率よく敷くことにより

 約80mほどの区間を保護することが出来ました。

 

  付近にはまだまだ裸地化歩行路があります。

  今後もこの復元作業が続いていくことを望みます。


~作業風景~

 

今後の変化を見に行くのが楽しみです。

一緒に作業してくださった皆様、ありがとうございました!